花粉症の治療
検査により花粉症であることが確かめられたならば、先ず日常生活のなかでできるだけ、その花粉との接触を少なくする工夫をすることが大切です(セルフケア)。
その上で薬物療法で症状を抑えたり、症状が出るのを予防したりすることになります(メディカルケア)。
即ち、セルフケアを行うことで、出きるだけメディカルケアを軽減させることが、花粉症対策の基本です。


花粉に対する生活対策 
  1. 花粉を出きるだけ吸わないようにすること

    花粉情報に注意して、花粉が多いとされる日は外出を避け、家の窓や戸を閉め家の中に花粉が入らないようにする。
    洗濯物は戸外に干すのをやめる。
    どうしても外出が必要なときは、朝の早いうちに出かける。 目がね・マスク・帽子・首のスカーフは必要。
    衣類は表面が滑らかですべすべしたものを選ぶ。
    マスクは安いマスクの使い捨てが良い。
    帽子はつばの広いものがよい。
    帰宅後は洋服を払い花粉を室内に持ち込まないようにする。
    うがい・洗顔・鼻をかむ・頭を洗うなどして花粉を落とす。
    室内の掃除も大切。 高性能の掃除機で丹念に掃除して、できれば水拭きもすると尚良い。 空気清浄器も効果があると言われている。

  2. 生活を規則正しく,睡眠不足にならないようにする。
    精神的ストレス、過労も避けるこ とが大切。


薬物療法

予防的治療(初期治療)と対症療法があります。中等症以上の場合は予防的治療により発症を遅らせ、また軽症化にもつながります。

  • 予防的治療・・・花粉飛散の約2週間前よりケミカルメディエーター遊離抑制剤を
             投与する方法です。

  • 対症療法・・・花粉飛散が始まり症状が出てきてしまったときの治療です。
            これに対しては薬剤の特徴を良く知り、症状及び重症度に応じて
            以下のような薬を上手く使い分けねばなりません。

    1. 経口薬としては、ヒスタミンH1受容体拮抗薬、肥満細胞からの化学伝達物質遊離抑制薬、経口ステロイド薬、トロンボキサンA2受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、IgE抗体産生抑制薬等があります。

    2. 点鼻薬としては局所ステロイド薬、抗アレルギー薬、血管収縮薬、抗コリン薬等があります。

    3. 眼の症状に対してはアレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬等があります。

以上が花粉症治療のアウトラインです。
薬剤の使用に際しては現在の症状ばかりでなく、仕事や生活全般について主治医に良く話し、自分に合った治療薬を選択し、クオリティ・オブ・ライフを落とすことの無いように配慮すべきです。


そ の他に減感作療法があります。
これは原因となっている抗原を皮内注射することによって、体を少しづつ抗原に慣れさせていくという方法です。
少なくとも3年間は注射を続けます。 これによる治療効果は約50%と言われています。
また、この治療法は重症の方や薬の副作用を減らす目的の方に薦められます。




ブタクサ(8月〜10月頃) 


オオブタクサ(8月〜9月頃)
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